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アラブでお菓子のハナシ、ゴハンの時間

シリアから始まったアラブ菓子・料理研究。現在エジプトで活動中。

ホブズ

シリアでは主食に薄いパン(ホブズ)がよく食べられます。
米もよく食卓に上りますが、ホブズがない食卓はあり得ないと言ってもいいでしょう。
アラブの薄いパンと聞くと、ピタやナンのような物を思い浮かべますが、シリアのはそれよりも薄く、トルティーヤやチャパティーの方が近いかもしれません。
RIMG5502_convert_20101230200422.jpg直径30㎝ぐらいです

ピタの様に中に空洞が出来、2枚重ねのようになっている事が多いですが、とても薄いので、その空洞の中に他の食材をはさんで食べることはありません。
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サンドウィッチにするときは、海苔巻きのように食材をホブズでクルクルと巻きます。

シリア人はこのホブズをスプーンやフォークの代わり(もちろんスプーンやフォークも使います)のようにして何でもつまんで食べます。
また、レストランではケバブの上に載せられて出てきたり、持ち帰り用のチキンのグリルなどを包んだりと、大活躍です。
レストランでは庶民的な店から高級な店までホブズは通常無料で、テーブルの上に最初から置いてある事も多いので、ついつい食べ過ぎてしまいます。

このホブズも食品メーカー製のものと、町の工場製のものとありますが、美味しいのは後者で、工場直売所にはいつも人だかりができています。
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写真左の看板の下が窓口で、どこの工場もこのように小さな窓口のようです。
そして、出来立てのホブズを受け取ったお客は、熱々のままビニール袋に入れて持って帰ると水滴で蒸れてしまうため、各自、置いてある<乾かし棚>にかけて冷まします。棚が足りないときは、周りに停めてある車の上などに並べて冷まします。

シリア人のこのホブズに対する愛着は相当なもので、外国で暮らしたことのあるシリア人は「でも、ホブズが無くって・・・」と口をそろえて言います。
日本人の「やっぱり白ご飯!」という感覚に似ていますね。
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