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アラブでお菓子のハナシ、ゴハンの時間

シリアから始まったアラブ菓子・料理研究。現在エジプトで活動中。

"マハシー" の検索結果

ラマダーンあれこれ2

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ラマダーンのお楽しみと言えば、何といっても日没後の食事“イフタール”ではないでしょうか。のどの渇きを冷たい水やジュースで潤して待ちに待った食事に入ります。
ラマダーン中の約一か月間、毎晩豪華な食事でパーティーのような日々が続く、などとよく言われますが、実際はどうなのでしょう。
数人の友人知人に聞いたところ、みんな口を揃えて「絶対そんなことはない!」とのこと。確かにラマダーン中は普段より来客が増えるし、当然そういう日はたくさん料理を作るけど、家族だけのときは、いつもと変わらない食事をするそう。
友人A「昨日は、まとめて作っておいたブサーラ(ソラマメとハーブのペースト)とパンとサラダで、特に料理はしてないよ」
友人B「ラマダーン中は毎日料理するけど、お客さんが来ない日は普段と同じだよ。ちょっと大目に作るぐらいかな。でもお菓子や飲み物はいつもより沢山買ってあるよ」
友人C「昨日はモロヘイヤとえーっと、前の日残りのチキンだったかな。クナーファカターイフも食べたよ」
などと、各家庭いろいろですが、夜な夜なパーティーは誇大妄想のようです。

写真上:友人宅のイフタール。お昼すぎから一緒にお手伝いさせてもらいました。コフタ(細長いハンバーグ)、フライドチキン、マハシー、ナスのベシャメルソース、ナッツ入りごはん、コールスロー、揚げナスのサラダ。

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“ホシャーフ”という、アプリコットジュース(水)にドライフルーツとナッツを入れた飲み物。ラマダーン月の定番。
※2014年7月5日にフェイスブックページに投稿した記事の転載です。

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ぶどうの葉

アラブ、中東地域でよく使われる食材にぶどうの葉があります。
マハシー
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硬いので生で食べることはありませが、茹でた葉は酸味が強く、独特な風味があります。

初夏には生の葉が出回り、この時期に各家庭で大量に茹でて塩水や酢水に浸けて保存をしておきます。
もちろん、茹でられた物は年中売られており、冷凍された物、瓶詰めされた物も簡単に手に入ります。
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アラブ料理でぶどうの葉を使った料理と言えばワラカイナブですが、近隣の地域ではバリエーションが豊富なよう。

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こちらはアルメニアのレシピから。
鶏肉と一緒に煮込んだ料理。


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こちらはギリシャから。
ヒメジに巻いてオーブンでローストしました。
煮込む料理より、独特の酸味を感じませんが、魚がパサつかず、しっとり焼き上がります。

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マハシー その2

マハシーについては以前ご紹介しましたが、エジプトとシリアで異なる点がいくつかあることに気が付いたので、再度ご紹介します。
マハシー
ワラカイナブ

DSC00464 2エジプト人のお宅でいただいたマハシー

エジプトのマハシーは一般的に、米やトマト、ハーブなどを野菜に詰め、または巻き、鶏を茹でて取ったスープで煮込みます。
だしに使った鶏肉は表面をこんがりと焼かれ、マハシーと共に食卓に並べられます。
使用する野菜は、ブドウの葉、キャベツ、ナス、ズッキーニ、ピーマンなど、シリアとさほど変わりませんが、白いナスを使用するのはシリアでは見られませんでした。
キャベツのマハシー(マハシークルンブ)はシリアでももちろん作られますが、エジプトでの方がより好まれているよう。
キャベツの下茹での際にお湯にクミン加えるのがポイントと教わりました。
又、キャベツよりも軽い食感になるレタスもよく用いられれます。


サムネを少々加えて炊き込んだり、鶏から出る脂が冷えると固まってしまうためか、冷やして食べることはないよう。
ディルの香りがふわっと香り、鶏のだしがしみ込んだ優しい味と言う印象です。


一方シリアのマハシーは、葉物で巻いたマハシー、特にワラカイナブは温冷両方で食べられます。
冷たくして食べる方は、ヤランジと呼ばれ、米やトマト、ハーブなどの具を使い、水と少量のオリーブオイルで煮込み、レモン汁を多めに入れて、酸味をきかせるのがポイント。
つまり、動物性の材料は使いません。
温かくして食べる場合ヤブラクと呼ばれ、具にミンチを入れたり、鍋底に骨付き肉などを敷き、一緒に煮ます。
別にとっておいたスープで煮るよりは、水で煮る方が多いようです。

ナス、ズッキーニなどのマハシーの場合はトマトベースのスープで煮たり、特にズッキーニのマハシーはヨーグルトで煮込むことも。別名シェイフマハシー。
※レバノンではナスに切り込みを入れ、ひき肉を挟んで焼いたものをシェイフマハシーと呼ぶことがあります。

広い地域で食べられているマハシー。
いろいろ食べ比べて、好みの味を見つけるのも楽しいですね。
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クーサー

クーサーとはアラビア語でズッキーニのこと。
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日本で見るズッキーニは細長くで濃い緑色をしていますが、シリアのズッキーニはそれよりも太く、色も薄い物が出回っています。
ズッキーニを使った代表的な料理はなんと言ってもマハシー
くり貫いた部分は卵と一緒に焼いてオムレツのようにしたり、オリーブオイルで炒めて前菜として食べられます。

マハシー

<詰められた>という意味の料理、マハシー。
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シリアのみならず、トルコやアラブ中東各国など、東地中海地方でよく食べられている料理です。

よく使われる材料はなす、ズッキーニ、ピーマンなどの野菜ですが、羊の首に詰め物をしたマハシーまであるようです。
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マハシーに似たものに、日本でもピーマンの肉詰めやロールキャベツがよく作られますが、こちらのマハシーは詰め物に米を使います。
大抵はトマトベースの煮汁で煮込みますが、それがお米にも染み込んで、とても味わい深い、やさしい味に仕上がります。

この地方を代表する料理にもかかわらず、レストランでお目にかかることはめったにありません。
コトコト煮込む料理は家庭でしか味わえない特別な料理のようです。
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