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アラブでお菓子のハナシ、ゴハンの時間

シリアから始まったアラブ菓子・料理研究。現在エジプトで活動中。

フレスカ

“アイワ、フレースカ、フレースカ!”(ハイ、フレスカだよ!)このセリフを聞くと、多くのエジプト人は地中海の青い海を思い浮かべるのではないでしょうか。
DSC04714.jpg
このフレスカは、ココナッツやピーナッツなどのナッツを密で固め、薄い生地で挟んだ一口大のお菓子。
エジプト第二の都市、地中海沿岸のアレキサンドリアの名物です。
とは言っても、普通のお菓子屋さんにあるのではなく、水槽のようなガラスケースを担いで、海岸で売り歩くおじさんから買うという、まさに地域限定のお菓子です。
542367052.jpg画像はこちらからお借りしました

アレキサンドリアは、夏になると海と新鮮な魚を求めて、カイロに住んでいる人の半分が遊びに行く、と言われています。私がエジプト人に「フレスカって知ってる?」などと聞くと、どの人もパッと顔が明るくなるのは、そんな夏の楽しい記憶がよみがえっているのではないかと思います。

しかし、2011年の革命後はアレキサンドリアに遊びに行く人が激減し、レストランなどの経営は打撃を受けます。フレスカ売りも例外ではありません。門外不出だったフレスカですが、そんな影響もあり、カイロに出てきてフレスカを売る人が登場しました。
カイロでの販売方法も、アレキサンドリアと同様に、ガラスケースを担いで売り歩くスタイル。
駅前や大学前などの人通りの多いところで見かける他、中~上流層が多く住む地域でも見かけます。
これは、上流階級の人々はアレキサンドリアではなく、シャルム・シェイフ(シナイ半島南部の高級リーゾート地)や、海外に遊びに行ってしまい、逆に、あまり庶民的な地域だと、そもそも旅行しないので、“フレスカ”が心に響かないのだそう。

埃っぽいカイロでフレスカを見かけたら、青い海と空を思い浮かべてみてください。

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