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アラブでお菓子のハナシ、ゴハンの時間

シリアから始まったアラブ菓子・料理研究。現在エジプトで活動中。

2014年04月の記事

レンガとファスィーフ

ヨーロッパやロシアなど広い地域で食べられているニシンの燻製がエジプトにもありました。
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アラビア語ではレンガ(リンガ)と呼ばれています。
食べ方はいたって簡単、ガスコンロで表面を軽くあぶり、皮を剥ぎ開いて骨を取り、レモン汁、オリーブオイルをかけ、アエーシュでつまんだり、トマト、玉ねぎなどのざく切りなどと共にタヒーナで和えたりします。
基本的にレンガは調理する時には洗わないのですが、表面をあぶる代わりに熱湯に数秒浸けて皮を剥ぐ人も稀にいるようです。


ファスィーフはボラの塩漬けを発酵させたもので、かなり強烈な匂いがします。
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食べ方はレンガ同様、開いてレモン汁などをかけてネギやレタスなどと一緒にアエーシュでつまみます。

この2つの魚は一年中売ってはいるものの、エジプトの春のお祭り、シャム・ナスィーム(春香祭)で食べられる、伝統的なものなのです。
が、あくまで私が聞いた限りでは、これらが大好き!と言っている人はほとんどいません。
いや、レンガはたまに食べるという人はいるのですが、ファスィーフの方は、その名前を出すだけでオエーというリアクションを取る人までいます。

私もレンガは好きでたまに食べるのですが、ファスィーフは真空パックの封を開けた瞬間、鼻を刺すような匂いで涙目になりながら、お腹を開き、内臓を取り出して、エジプト風にサラダ仕立てにしたものの、結局全て食べることはできませんでした。

レンガは燻製という手順のためか、家庭で作られることはないようですが、ファスィーフは一般家庭でも手作りされることがあるよう。しかし、発酵が不十分な物を食べて中毒や死亡事故が発生することもあるので、家庭では作らないように呼びかけるキャンペーンがあったという話を耳にしたこともあります。
また、特にカイロでは人口が密集しており、大部分の住宅がマンションで、こんなところでファスィーフを作られたらたまらない、と力説するエジプト人も。

と、すごく嫌われ者のようですが、こういう食べ物ってどこの国ににもある気がします。
日本だと、クサヤや納豆とか。
そしてたまらなくそれらが好きだという人がいるので、エジプトにもファスィーフファンがいるはず。
もしファスィーフ好きの方がいたらご一報くださいませ。
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