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アラブでお菓子のハナシ、ゴハンの時間

シリアから始まったアラブ菓子・料理研究。現在エジプトで活動中。

2014年01月の記事

アエーシュ・シャムスィー

太陽のパン、という意味のアエーシュ・シャムスィー。
ルクソールやアスワンなど、上エジプトでよく食べられているパンです。
DSC04282.jpg

エジプトでも主食となるパン(エジプトではアエーシュと呼ばれている)は、シリアのホブズよりは若干厚みがあり一回り小さいものの、同様に平べったいピタパンですが、上エジプトではこちらもよく食卓に登場するようです。

このパンの歴史は大変古く、古代ファラオの時代からほぼ同様の手順と材料で作られており、太陽の下で最終発酵をしていたことから、このような名前がついたと言われています。
また、太陽の神、ラー神を象徴しているとも。

材料は小麦粉、イースト、塩と、とてもシンプルですが、最終発酵前の成型の際に、パン一つ分の大きさの丸い木のトレイにふすまをまぶして、その上に生地を置き、手で軽く押さえ平べったくしておきます。
生地とトレイがくっついてしまうのを防ぐためにふすまを使うようになったとか。

昔は近所の主婦たちが集まり2,3日分のパンをまとめて焼いていたようですが、現在はそれも少なくなっており、もっぱら店で買い求める人が多いよう。
生まれも育ちもルクソールという知人は、子供の頃、彼のおばあさんがこのアエーシュ・シャムスィーを自宅で焼いていて、彼も手伝いながら焼く前の生地で遊んだ記憶がある、と話していましたが、それももう20年以上も前の事のようです。

太陽も重要な材料の一つのこのパン、上エジプトでの遺跡見学のついでに、是非味わってみてください。

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