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アラブでお菓子のハナシ、ゴハンの時間

シリアから始まったアラブ菓子・料理研究。現在エジプトで活動中。

カテゴリー "飲み物" の記事

実はこんなにある!エジプトのお茶の種類


シャーイ(お茶)やアホワ(コーヒー)はアラブ中東諸国でもよく飲まれており、おじさんたちが集まる喫茶店も町中でよく見かけます。
エジプトではどちらかと言えばコーヒーよりもシャーイを飲む頻度が高いようで、一言でシャーイと言っても、実は色々な呼び方があります。
これらは、日常生活で頻繁に使うというよりは、喫茶店、しかも庶民的なおっさんマクハー(喫茶店)での用語。そこに出入りしない人々、例えば若い娘さんはそんな言葉は知らなかったりすることも。
そして、人によって微妙に認識が違うのも、エジプトらしさ、ということでしょうか。
ちなみに、エジプトでは主に粉状のお茶の葉を使用します。
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まず基本なのは【シャーイ・コシャリー】。エジプトを代表する料理、コシャリが由来です。お皿に米、レンズマメ、マカロニ、と一つづつ材料を入れていくように、カップに、お茶の葉、砂糖を入れてお湯を注ぎます。
次は【シャーイ・バンヌール】。ポットに湯を沸かしてお茶の葉と砂糖を入れます。要は煮出す方法ですね。あらかじめお茶の葉と砂糖を丁度良い割合でまぜておくのですが、このミックスをタルイーマと呼びます。
【シャーイ・ボースタ】は砂糖を別添えで出す方法です。エジプト人は砂糖たっぷりのシャーイが大好きで、砂糖水の様なシャーイが出てくるこもあるので、特に甘すぎるのが苦手な人はこの別添えの方法で頼むことをお勧めします。
【シャーイ・ミーザ】はミルクティーで、エジプト南部やヌビア人などに特に好まれるよう。【シャーイ・バルバリー】も同じくミルクティーですが、こちらはミルクが少なめのようです。
【シャーイ・アガミー】は濃いめのシャーイを小さいガラスのカップで出す方法です。【シャーイ・ハムシーナ】は大きいカップに半分ぐらい注ぐ方法です(シャーイ・ハムシーナが小さいカップという意見も有)。
エジプト南部では【シャーイ・ヒブル】という、非常に濃いお茶に砂糖をたっぷり入れて飲む方法があります。ちなみにヒブルとは、アラビア語でインクという意味。それほど濃く、服に着いたらなかなか落ちない、ということですね。
アレキサンドリアなどのデルタ地域では、南部とは逆で、比較的薄めのお茶に砂糖は少な目と言う傾向があるようです。
リプトンなどのティーパックも、もちろん使われています。リープトンなどと、商品名をそのまま言うこともありますが(むしろこっちが普通かも)【シャーイ・フィトラ】や【シャーイ・タイヤーラ】と言えば、少しエジプト通をかもしだせるかもしれません。フィトラは糸。タイヤーラは飛行機という意味で、それが転じて速い、という意味合いになっています。
ちなみに、この粉状のお茶の葉は、代表的なのはアルーサ(花嫁)というメーカーですが、リプトンからも出ています。レバノンはチュニジアなど、他のアラブ諸国では見かけなかったので、エジプトのお土産にいいかもしれませんね。

この他にも色々な呼び方があり、エジプト人とシャーイは切っても切り離せないことがよくわかります。街歩きに疲れたらちょっと一休み。もちろんシャーイ・コシャリー!
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ジャッラーブ

レバノンなどのシャーム地方では、ラマダーンの飲み物の一つにジャッラーブ(ジュッラーブ)があります。
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これは、干しブドウを水に浸け、ふやかした物を絞り、バラ水で香りづけし、仕上げに松の実を飾ったものです。
お香で香りづけすることもあり、独特の風味がある飲み物です。
ジュッラーブという言葉は、ペルシャ語起源で、昔はバラ水に砂糖を加えた飲み物のことを指していたよう。

一方、エジプトのジュッラーブはサトウキビの絞り汁を煮詰めた、黒砂糖に似たお菓子を意味します。
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上エジプト(南エジプト)、特にケナ県周辺で作られており、お菓子屋ではなく道端で売られている駄菓子の様な存在です。
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カイロでも、時々売っているおじさんを見かけますが、誰でも知っている、ポピュラーなお菓子とは言い難いです。
ジャッラーブという呼び方の他に、“グムア(漏斗)・アサル(蜜)”、“クーズ(水差し)・アサル”という言い方もあるようです。
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カルカデ

鮮やかなレッドが美しいカルカデ。
アラビア語で、ハイビスカスを意味します。
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シリアのスーク(市場)では、ありとあらゆるハーブやスパイスが山のように積まれて売られていますが、その中でも一際目立つのがカルカデです。

日本でもハイビスカスティーはよく目にしますが、こちらでは煮出して飲むので、色も味もかなり濃いです。
ストレートでもよいですが、砂糖を少し加えると、酸味が和らぎ、飲みやすくなります。
熱くして飲むのもよし、真夏には冷やしてゴクゴクと飲むのもおすすめです。
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シリアでは喫茶店でカルカデを出すところは稀ですが、エジプトはカイロでは、庶民的なお茶屋さんに置いてありました。ただし、すごい量の砂糖が入っていることが多く、<ハイビスカスジュース>と言った方がしっくりきます。

ライムンナァナァ

レモンとミントのフレッシュジュース、ライムンナァナァ。通称ボロ(ポロ)。
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ライムーンはレモン、ナァナァはミントを指します。

文字通り、レモンジュースとミントをミキサーで混ぜて作るのですが、お店によって、市販の砂糖入りレモンドリンクで作る場合と生レモンの絞り汁で作る場合と様々です。
しかし、一番おいしいのは、レモンの皮ごとミキサーで攪拌しているもので、レモンの皮独特の香りと微妙な苦味がさわやかなミントによく合います。

ミントというと、日本では、デザートの飾りに使われたりと、大量に食べることはあまりないようですが、シリアなど中東、アラブ各地では、サラダに混ぜたり、そのままかじったりと、ハーブというよりは、野菜といった感じでうまく使われています。

このジュースは街のジューススタンドではないようですが、(注文すると作ってくれるのかも。でも、飲んでいる人を見たことがないです。)中級、高級レストラン、カフェなら大抵おいてあります。
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一見青汁のようなこのジュース。
しかし一口飲んでみると、すっきりさわやかな、ミントの新しい魅力の虜になってしまいます!