FC2ブログ

アラブでお菓子のハナシ、ゴハンの時間

シリアから始まったアラブ菓子・料理研究。現在エジプトで活動中。

カテゴリー "食材" の記事

レンガとファスィーフ

ヨーロッパやロシアなど広い地域で食べられているニシンの燻製がエジプトにもありました。
DSC05164.jpg

アラビア語ではレンガ(リンガ)と呼ばれています。
食べ方はいたって簡単、ガスコンロで表面を軽くあぶり、皮を剥ぎ開いて骨を取り、レモン汁、オリーブオイルをかけ、アエーシュでつまんだり、トマト、玉ねぎなどのざく切りなどと共にタヒーナで和えたりします。
基本的にレンガは調理する時には洗わないのですが、表面をあぶる代わりに熱湯に数秒浸けて皮を剥ぐ人も稀にいるようです。


ファスィーフはボラの塩漬けを発酵させたもので、かなり強烈な匂いがします。
DSC02722.jpg
食べ方はレンガ同様、開いてレモン汁などをかけてネギやレタスなどと一緒にアエーシュでつまみます。

この2つの魚は一年中売ってはいるものの、エジプトの春のお祭り、シャム・ナスィーム(春香祭)で食べられる、伝統的なものなのです。
が、あくまで私が聞いた限りでは、これらが大好き!と言っている人はほとんどいません。
いや、レンガはたまに食べるという人はいるのですが、ファスィーフの方は、その名前を出すだけでオエーというリアクションを取る人までいます。

私もレンガは好きでたまに食べるのですが、ファスィーフは真空パックの封を開けた瞬間、鼻を刺すような匂いで涙目になりながら、お腹を開き、内臓を取り出して、エジプト風にサラダ仕立てにしたものの、結局全て食べることはできませんでした。

レンガは燻製という手順のためか、家庭で作られることはないようですが、ファスィーフは一般家庭でも手作りされることがあるよう。しかし、発酵が不十分な物を食べて中毒や死亡事故が発生することもあるので、家庭では作らないように呼びかけるキャンペーンがあったという話を耳にしたこともあります。
また、特にカイロでは人口が密集しており、大部分の住宅がマンションで、こんなところでファスィーフを作られたらたまらない、と力説するエジプト人も。

と、すごく嫌われ者のようですが、こういう食べ物ってどこの国ににもある気がします。
日本だと、クサヤや納豆とか。
そしてたまらなくそれらが好きだという人がいるので、エジプトにもファスィーフファンがいるはず。
もしファスィーフ好きの方がいたらご一報くださいませ。
にほんブログ村 海外生活ブログ 中東情報へ
にほんブログ村

にほんブログ村 料理ブログ 料理研究家へ
にほんブログ村

アエーシュ・シャムスィー

太陽のパン、という意味のアエーシュ・シャムスィー。
ルクソールやアスワンなど、上エジプトでよく食べられているパンです。
DSC04282.jpg

エジプトでも主食となるパン(エジプトではアエーシュと呼ばれている)は、シリアのホブズよりは若干厚みがあり一回り小さいものの、同様に平べったいピタパンですが、上エジプトではこちらもよく食卓に登場するようです。

このパンの歴史は大変古く、古代ファラオの時代からほぼ同様の手順と材料で作られており、太陽の下で最終発酵をしていたことから、このような名前がついたと言われています。
また、太陽の神、ラー神を象徴しているとも。

材料は小麦粉、イースト、塩と、とてもシンプルですが、最終発酵前の成型の際に、パン一つ分の大きさの丸い木のトレイにふすまをまぶして、その上に生地を置き、手で軽く押さえ平べったくしておきます。
生地とトレイがくっついてしまうのを防ぐためにふすまを使うようになったとか。

昔は近所の主婦たちが集まり2,3日分のパンをまとめて焼いていたようですが、現在はそれも少なくなっており、もっぱら店で買い求める人が多いよう。
生まれも育ちもルクソールという知人は、子供の頃、彼のおばあさんがこのアエーシュ・シャムスィーを自宅で焼いていて、彼も手伝いながら焼く前の生地で遊んだ記憶がある、と話していましたが、それももう20年以上も前の事のようです。

太陽も重要な材料の一つのこのパン、上エジプトでの遺跡見学のついでに、是非味わってみてください。

にほんブログ村 海外生活ブログ 中東情報へ
にほんブログ村
にほんブログ村 料理ブログ 料理研究家へ
にほんブログ村

マスティク

アラブの少し粘り気のあるアイスクリーム、ブーザや、ムハラビーヤなどを食べたときに、少しスッとするような、ヒノキの香りような独特の風味を感じることがあります。
その正体は木の樹液を乾燥してできた、マスティクではないでしょうか。
RIMG6298.jpg

マスティクの樹液が採れる木は、トルコにほど近いヒオス島(ギリシヤ)のみに生息している、とても貴重な植物です。
大きさはさまざまで、大きい物で直径1センチ程です。
口に含んで噛んでいると、ガムのような食感になり、木の香りが広がりますが味はありません。
それもそのはず、昔から口臭予防として用いられたり、様々な病気の治療や予防に効果があるとして、健康食品の様に扱われてきました。

もちろん、料理やお菓子にも幅広く用いられ、シリア、エジプトなどでもスパイス売り場で簡単に手に入れることができます。
最初に紹介したようなミルクを使ったデザートに特によく使用されますが、クッキーなど、焼き菓子に混ぜたりすることもあります。
また、特にエジプトでは鶏肉を茹でる際に臭み消しとして用いられることもあります。

にほんブログ村 海外生活ブログ 中東情報へ
にほんブログ村
にほんブログ村 料理ブログ 料理研究家へ
にほんブログ村

アスファルとサフラン

サフランに似たハーブ、アスファル。
DSC00119.jpg
日本ではベニバナやサフラワーと呼ばれており、キク科の植物です。
一方サフラン(アラビア語でザーフラーン)はアヤメ科のクロッカスの雌しべを乾燥させたものです。

両者とも非常によく似ていますが、サフランの方がより濃い赤で、色にムラがありません。
また、よく色が出るので、料理する量にもよりますが、3,4本をあらかじめ水に浸けておけば十分な色と香りが出ます。

アスファルは色、香りとも弱いので、例えばヤブラクに使用する場合、米250㏄の分量に対し、軽く一掴みのアスファルを入れると教わりました。

アラブのスーク(市場)ではアスファルが他のスパイスと共に山積みで売られており、初めて目にしたときは、アラブではサフランも安いんだ、と勘違いしたものでしたが、他の国々同様、高価なスパイスです。
そのため、プラスチックケースで小分けにして売られているのがほとんどです。

私の滞在したダマスカスやカイロではサフランはほとんど料理には使われていない印象ですが、モロッコやイランでは多用されている様子。
しかしながら他のスパイスに比べて高価なのには変わりがないようで、モロッコではこんな商品が。
DSC03184.jpg
固形スープのサフラン版です。


余談ですが、アラビア語の表現で“黄色い顔”と言うのは、ちょうど日本語の“青白い顔”という表現に相当するのですが(アラビア語で“青い顔”はさわやかな感じらしい)、先日見たアルジェリアの映画に、心配事があって元気がない主人公に対する友人の台詞で「サフランのような黄色い顔をしてどうしたの?」というのがありました。
食べ物が思わぬ表現に使われるのはとても興味深いのですが、サフランというと、魚介がたっぷりのパエリアなんかを思い浮かべてしまい、どうしても落ち込んでいる主人公に共感できないのでした。

にほんブログ村 海外生活ブログ 中東情報へ
にほんブログ村
にほんブログ村 料理ブログ 料理研究家へ
にほんブログ村

ぶどうの葉

アラブ、中東地域でよく使われる食材にぶどうの葉があります。
マハシー
DSC02400.jpg
硬いので生で食べることはありませが、茹でた葉は酸味が強く、独特な風味があります。

初夏には生の葉が出回り、この時期に各家庭で大量に茹でて塩水や酢水に浸けて保存をしておきます。
もちろん、茹でられた物は年中売られており、冷凍された物、瓶詰めされた物も簡単に手に入ります。
DSC02057.jpg

アラブ料理でぶどうの葉を使った料理と言えばワラカイナブですが、近隣の地域ではバリエーションが豊富なよう。

DSC02355.jpg
こちらはアルメニアのレシピから。
鶏肉と一緒に煮込んだ料理。


DSC02431.jpg
こちらはギリシャから。
ヒメジに巻いてオーブンでローストしました。
煮込む料理より、独特の酸味を感じませんが、魚がパサつかず、しっとり焼き上がります。

にほんブログ村 海外生活ブログ 中東情報へ
にほんブログ村
にほんブログ村 料理ブログ 料理研究家へ
にほんブログ村