アラブでお菓子のハナシ、ゴハンの時間

シリアから始まったアラブ菓子・料理研究。現在エジプトで活動中。

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ミルクのデザート

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シンプルで優しい味わいのミルクのデザートはみんなが大好きな味。アラブ・中東にも多くの種類があります。
定番なのはムハッラビーヤ。ミルクにコーンスターチや米粉でとろみをつけて冷やし固めたミルクプリンです。ウマイヤ朝初代カリフ「ムアーウィヤ」に仕えていた将軍「アル・ムハッラブ・イブン・ソフラ」が好んで食べたということからこの名前が付いたようです。
ルッズ・ビ・ラバンは米が入ったミルクプリンといったところで、日本人には最初は抵抗があるかもしれませんが、意外と違和感なく食べられます。この2つはコシャリ屋でも食べることができ、シャッタ(唐辛子)をかけすぎてヒリヒリした舌を優しく癒してくれます。
プチプチと食感が楽しい、大麦入りの物もあります。アショーラと呼ばれるデザートは、茹でた大麦とミルクを混ぜ、ムハッラビーヤ同様にスターチでとろみをつけて固めた物で、ヒジュラ歴第1月ムハッラム月に食べるデザートとして知られています。アショーラのとろみがない版、ビリーラは茹でた大麦に温かいミルクをかけた物で、朝食にピッタリです。冬にはこのビリーラの屋台が町中で見られます。

キシュク・フォウラー(貧乏人のキシュク)は、その名前から想像するのとは逆に、プリン部分にはアーモンドパウダーが入り、表面はピスタチオなどの数種類のナッツで飾られている、いわばムハッラビーヤの豪華版です。それは昔、貧しい人が自分の茶碗を手に、何か食べ物を恵んでくださいと近所の家々を訪ねた結果、少しずつ、しかし多くの種類の食べ物がその茶碗にいっぱいになったという話に由来していると言われています。
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オレンジゼリーとミルクプリンが層になったバールーザはシリアでよく見かけます。アマルッディーン(アプリコットペースト)やレモンジュースなどでも代用ができます。
これらのデザートは材料がシンプルですが、好みで花水やバラ水マスティクなどで香りを付けることがあります。

ご飯を炊く際に使う極細パスタ“シャアリーヤ”を使ったシャアリーヤ・ビ・ラバンは、炒めたシャアリーヤをミルクで煮た温かいデザート。ビリーラ同様、朝食でもよく食べられます。

お米のルッズ・ビ・ラバンはちょっと苦手…、という人には、お米の代わりにシャアリーヤを使った、冷やして食べるシャアリーヤ・ビ・ラバンがおススメ。余っているシャアリーヤがあれば是非。
炒めたシャアリーヤがプリッツのように香ばしく、ミルクによく合います。
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<材料>
牛乳        500g
シャアリーヤ    80g
砂糖        60g
コーンスターチ  15g
油         少々
〈作り方〉
鍋でシャアリーヤを油で色づくまで炒める。牛乳と砂糖を加え、かき混ぜながらシャアリーヤが柔らかくなるまで煮る。コーンスターチを冷たい牛乳(分量外)で溶き鍋に加える。とろみがつくまで絶えずかき混ぜながらさらに加熱する。熱いうちに容器に盛り、冷蔵庫で冷やす。

この記事はカイロ日本人会会報「パピルス」2015年3・4月号で執筆した物に加筆しました。
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エジプトで生貝 ウンム・ホルール

エジプト第二の都市、アレキサンドリアは、地中海沿いということもあり、魚料理が有名です。正直なところ、カイロでも十分美味しい魚が手に入るのですが、せっかくだからと、魚料理レストランであれやこれやと試してみたくなります。
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しかし、今時何でも手に入るカイロでも、アレキサンドリアなど、海沿いの街でしか見かけない物があります。
その一つが“ウンム・ホルール”。日本語では、ナミノコガイという、2㎝ぐらいの極小の貝です。
これは、普通は魚屋さんではなく、街角などでスナックとして売られており、紙をくるっと丸めた包みに入れてくれます。
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食べ方は簡単、貝をこじ開けて、そのまま口に運ぶだけ。
身は小さいのですが、うま味がすごくて、塩加減が絶妙です。
それもそのはず、日本では、この貝は一般的には流通しておらず、鹿児島県の一部地域で食用に売買されているのみだそうですが、非常に濃厚なダシが出る、知る人ぞ知る貝なのでそう。

エジプトでは、そのまま、もしくは、ニンニク、レモン汁などで作ったソースに浸しながら食べる他、スープにするのも一般的だそう。
あ~、絶対おいしいわ。そのスープ。
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ちなみに、これは茹でたりしてあるわけではなく、生です。
エジプトで生貝なんて、お腹を壊しそうですが…私は平気でした。
ただ、貝をこじ開ける時に親指が深爪になってしまい、更に塩がしみてきて激痛で途中でギブアップ。
カイロで売っていたら、生で食べるのはちょっと恐いけど、スープにボンゴレに、いろいろできるのになぁ。
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バクラワを巡る冒険

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何層もの薄い生地の間にナッツが詰まったバクラワ。アラブ・中東で最も有名なお菓子です。日本ではトルコのお菓子として知られるようになりましたが、実は中央アジアやコーカサス、北アフリカなどでも見られます。
“バクラワ”というのはアラビア語の呼び名で、国や地域によって”パクラワ(グルジア)”、”バグラヴァ(トルコ)”などと発音が微妙に異なります。その語源は、諸説ありますが、その一つに”四旬節のお菓子”を意味する「Baki-halva」というアルメニア語だと考えられる説があります。四旬節はキリスト教の宗教行事。それは、四旬節の日数にちなみ、40枚もの生地を重ねて作られたと言いますアルメニア人の「Baki-halva」はその後、オスマン帝国に持ち込まれ、トプカプ宮殿の菓子職人の手で競うように作られ、長い時を経て、現在私たちが口にしているバクラワの形に発展しました。
トルコ語で“バクラワ”という語が最初に登場したのは15世紀前半に詠まれた詩であるとされています。
アラビア語では、13世紀ごろに書かれた料理本に“バクラワ”という単語こそ登場しませんが、それに似たレシピが掲載されています(もっとも、これら以前にも、呼び名は異なるものの、バクラワの起源と思われる菓子が様々な文献に登場します)。

現代のバクラワに使われるのは、“フィロ”という薄い生地です。アラビア語圏ではこの生地を「アジーン・バクラワ(バクラワ生地)」、「アジーン・ラキーク(薄い生地)と言います(エジプトでは「グッラーシュ」と呼んでいます)。
多くの町中のお菓子屋さんでは、この生地からバクラワを作ります。熟練の職人たちが、つきたての餅のように柔らかな小麦粉の生地を、透き通るほどに薄く伸ばしていく手際の良さは、見ていて気持ち良いものです。打ち粉が工房内に舞い上がって充満し、職人の髭や髪の毛は真っ白になります。私がシリアのダマスカスで学んだ菓子工房では、バクラワを一斉に作る日、あるお楽しみがありました。余った生地に炒めたひき肉を包んでオーブンで焼いた「ラハム・ビアジーン」です。作業がひと段落ついて、大きな鉄板の上の熱々のラハム・ビアジーンを皆で囲んだことは、とても良い思い出です。
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一般にバクラワは、サムナ(澄ましバター)などの油脂を塗りながら重ねた生地でナッツを挟んで焼き、最後にシロップを浸み込ませるという手順で作ります。家庭と違い、大量に作る菓子店では、油脂を生地一枚一枚に塗る代わりに、あらかじめ重ねておいた生地の上から、熱した油脂を流しかける方法を取ることもあります。

生地の厚さやナッツの使い方には地域ごとの特徴がみられます。トルコのバクラワは、レバノン、シリア、エジプトなどアラブ諸国のそれと比べ、ナッツをより細かく砕き、生地は薄く、シロップを多めにかけるという印象です。

イランでは少し厚めの生地に、ほぼ粉状のナッツを用います。
tイラン

グルジアでは、フィロではなく、通常のパイに近い生地が使われているのを見かけました。
vグルジア

ピスタチオやクルミ以外のナッツ類、例えばアーモンドやカシューナッツなどのバクラワも珍しくありません。さらに、チーズやクリームを生地の間に挟むこともあります。エジプトではコーンスターチで牛乳にとろみをつけたクリームを挟んだものがあり、「バクラワ・クレーマ」や、「バクラワ・ビルムハラビーヤ※1」と呼ばれています。シリアでは「イシュタ※2」を挟んだバクラワが「ナンムーラ」と呼ばれますが、お隣のレバノンで「ナンムーラ」と言えば、粗挽きセモリナ粉のケーキ(エジプトで言う「バスブーサ」)を指します。このように、同じ呼び名のお菓子でも、国や地域によって全く違うことがあります。

バクラワは、その形状や食べ方も、各地域で差があります。
アルメニアの菓子店に並ぶバクラワは、ナイフとフォークを使って食べるような、少し大きめのものが主流のようです。
xアルメニア

多くの国ではひし形のバクラワが多いのに対し、ギリシアでは三角形が目立ちます。
cギリシア

バクラワと同じ材料を使った、いわばバクラワの兄弟のようなお菓子も豊富です。細巻きのように生地でナッツを巻いたり、小さくカットした生地にシュウマイの要領でナッツを包んだり。それぞれが違った名前で呼ばれています。
バクラワの味わいは国や地域、またお店によっても実にさまざまです。食べ比べてみるのも楽しいかもしれません。

※1牛乳をコーンスターチなどで凝固させたデザート。
※2水牛の乳からできた脂肪分の高いクリーム。クロテッドクリームと同じ製法。シリアやレバノンでは、牛や羊の乳から作られるのが一般的で、エジプトの物よりも脂肪分が低くあっさりしている。

この記事はカイロ日本人会会報「パピルス」2014年11・12月号で執筆した物に加筆しました。
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【冷凍】パートフィロ 500g


アラブの甘い、ナイチンゲールの巣

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アッシュルバルバルという、ちょっと変わった名前のお菓子があります。
アラビア語でアッシュは巣、バルバルはナイチンゲールを意味し、その名のとおり、鳥の巣を思わせる、かわいらしいアラブのお菓子です。


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アッシュルバルバルの主な材料は、クナーファという麺のような生地。水溶き小麦粉を熱した鉄板の上に細く垂らして作られます。専門店で買うことができますが、スーパーマーケットでも冷凍のクナーファを扱っています。
クナーファはアラビア語で、守る、保護する、囲む、などを意味する「カナファكنف」から派生した言葉で、文字どおりナッツやクリームなどを包んだり挟んだりして使われます。
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伝統的には、クーズクナーファ(クナーファ差し)と呼ばれる手持ちの容器に生地を入れ、鉄板の上で円を描くように動かしながら生地を流して作られますが、現在では機械での生産が主流のよう。ちなみに家庭で作られることは普通ありません。
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クナーファの起源はウマイヤ朝時代(661-750)のシリアとする説や、ファーティマ朝時代(909-1171)のエジプトとする説など、諸説ありますが、後者が有力のよう。あのアラビアンナイトにも頻繁に登場します。
アラブのお菓子にとってこのクナーファは重要な素材で、様々なお菓子に使われています。国や地域によって形や名前は微妙に異なりますが、その多くはナッツを包んで揚げたり、クリームを挟んだりしたものにシロップをかけるという手順で作られます。粉状に挽いて用いることもあり、一見するとクナーファが使われているとは気が付ない物も。シリア、レバノンなどでよく食べられているクナーフェ・ナーブリスィーエという、モッツァレラチーズに似たチーズ、アカウイーを使用したデザートはその代表とも言えるでしょう。
エジプトでは、クリームを挟んだクナーファが家庭でもよく作られており、夏にはマンゴーを使ったクナーファが登場します。
アラブ地域のみならず、トルコ、ギリシアなどでも使われており、これらの地域ではカダイフ、カタイフィと呼ばれています。
クナーファ自体には甘味がついていないため、料理にも活用することができます。残念ながらアラブ料理での使用はまだ見かけませんが、フランスなどでは新しい素材として積極的に取り入れられているようです。

おお、クナーファよ、髪の毛ほどの細さになりて、食べたくもあるかな、楽しくもあるかな。
おお、クナーファよ、これに対するわが熱望、叫びたつわが熱望は、強度の強さ。
わが食卓にこれ無くしては、死ぬほどの思い、わが生の一日だにも過ごし得んや、
おお、クナーファよ、やあ、クナーファよ。
     完訳 千一夜物語〈1〉 岩波文庫

〈クナーファを使ったお菓子の例〉
クナーフェ・ナーブリスィーエ
細かく挽いたクナーファ生地と弾力のあるチーズの温かいデザート。
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マブルーマ
クナーファでピスタチオを巻き、油で揚げ、シロップに浸したお菓子。
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バッルーリーヤ
クナーファに焼き色がつかない程度に焼いたお菓子。水晶という意味。
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この記事はカイロ日本人会会報「パピルス」2014年9・10月号で執筆した物に編集を加えました。
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フランス産:パート・カダイフ【500g】【冷凍発送のみ】【D 0】【hishock】


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